昨年2011年はファッション・美容業界で、衝撃的な広告が多く出された1年でした。
たとえば、驚くほどユーザからの反感をかっていたNivea USAの広告は、アフロの首を投げるという人種差別も甚だしい内容。人種差別の問題に敏感なアメリカ全土で大騒ぎになり、Nivea USAのFacebookページには非難の声が殺到したのです。
またDonna Karanの2012年春夏コレクションの広告にも、注目しておきたいところ。ダナ・キャランは2011年にハイチでの慈善活動に多くの時間を費やしまし た。そんな背景もあって春夏コレクションには、ハイチをイメージさせるプリントや色合いが多く取り入れられています。
問題の広告を見てみると、ブラジルのモデル・アドリアーナが前面に登場し、背後の本当に見えにくい部分に、ハイチの貧しい少年たちが2人写っていま す。アドリアーナは豪華な服、少年たちはボロボロの服を着ています。「ハイチの現状を見てほしい」というダナ・キャランの意図は伝わらず「帝国主義的だ」 「無神経だ」との声ばかりが集まったことも、広告業界の記憶に新しいことでしょう。
そんなわけで2012年となりましたが、広告業界の2011年の振り返りとして、海外サイト『the gloss』から注目の広告を見ていきましょう。Nivea、MiuMiu、Dior、Donna Karanを始めとする、疑問を抱かずにはいられない広告や悪印象を残す広告を15個厳選して取り上げてみました。
1、Nivea
非難ごうごうの嵐が吹き荒れた広告。Nivea USAは後で謝罪することに。
2、The Lake & Stars
インドの下着ブランド「The Lake & Stars」は母と娘を起用した広告を作ったものの、下着というセクシーな商材に母親を使うのはどうだろうか……との声も。
3、Donna Karan
目立つ豪華な格好をしたモデルの「背景」として、ハイチの子どもたちが写っていることに、気付かない人すらいるかも知れません。
4、Marc Jacobs
新作香水「Oh,Lola!」の広告が「セクシー過ぎる」あまりに、イギリスでの掲載がNGに。モデルは17歳のダコタ。脚の間に香水のボトルを挟んでいる点で、子どもを性的なものとして扱っているという議論に発展。
5、Cadbury
イギリスの大手チョコレートメーカー「Cadbury」は、ナオミ・キャンベルをコピーに使用して問題に。日本語訳にすると「ナオミどけて。新しい女王がこの街へやってきた」という感じですが、ナオミは侮辱されたと怒り心頭。Cadburyはナオミに謝罪。
6、Louis Vuitton
Louis Vuitton側は、登場しているアンジェリーナ・ジョリーは、明らかなスモーキーアイ(流行のグレー系で目を囲むメーク)ノーメークだと主張しています。アンジェリーナ・ジョリーは確かに美しいけれど、生まれながらにスモーキーアイなの?
7、Miu Miu
2011年は10代の子どもを起用したファッション広告が、やたら騒ぎになってしまった年でした。14歳の女優であるヘイリー・ステインフィールドが線路に座ったこの広告も「危険で無責任」として騒ぎになりました。
8、Miu Miuその2
起用されているポーランドのトップモデルであるカシア・ストラスが「痩せ過ぎている」として消費者から苦情が寄せられたとか。
9、Dior
香水のキャンペーンのため、マリリン・モンローを起用したものの「非現実的だ」として酷評されました。
10、Dove
「before」と「after」の位置から「つまり美しい肌=黒じゃなくて白ってこと?」と人種差別なのではないかと悪い意味で話題に。
11、Lynx
肌を露出させ過ぎているとして「女性の品位を落としている」と問題になりました。
12、Drop Dead
スコットランド人のモデルであるアマンダ・ヘンドリックが「痩せ過ぎていて社会的に問題」として、イギリス広告規制局が掲載を禁止に。
13、Benetton
「反・嫌悪」キャンペーンの一環で、各国の対立する政治的リーダーがキスをしている合成写真が使われています。大半の人はいいなと思ったようですが、バチカンの人たちは「法王の尊厳を損なった」として抗議したそう。
14、MAYBELLIN
美容商材の広告にも大きな罠が。クリスティー・ターリントンを起用した「MAYBELLIN」のこちらの広告は「(修正し過ぎたあまり)綺麗過ぎる」として、広告規制局にさされました。コスメなんて女性に夢を与えるものだから修正は必要な気はしますが……。
15、Fluid
2011年に出された広告のうち最も怖いのがこちらでしょう。カナダにある美容サロン「Fluid」の広告ですが、彼氏が彼女にDVを加えています。彼女の目の周りを見るとそれは明らかに。何が起こったのやら。
「これ、掲載可否OK?」と問いたくなるものから「厳しいなぁ」と感じるものまで、様々な広告を取り上げてきました。2012年の広告業界にも期待!
(文=sonoko0511)
参照元:the gloss(http://goo.gl/0zvxv / http://goo.gl/nLEIA / http://goo.gl/QZdR5)
teru
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